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よくある質問

よくある質問

Q1:なぜ曝気槽で大量発砲するのですか?


  • A1:多くの原因は過負荷です。原水BOD濃度が濃くなり、曝気槽内の微生物相が変化して微生物が粘性物質を生成していると思われます。このため、泡が消えづらくなり曝気槽表面に残留してしまいます。良質の活性汚泥の場合は泡がはじけて消え、ほとんど曝気槽表面に残留しません。対策としては、原水を希釈してみると徐々に回復することが多いです。緊急の場合は消泡剤を投入します

曝気槽内部

曝気槽内部の状況です。処理が良好で発砲がありません。

Q2:特殊な微生物資材(EM菌など)を購入し、定期的に曝気槽に投入しなくてもいいのですか?


  • A2:特殊な微生物資材の投入は必要ありません。原水に含まれる在来菌で十分処理できますし、浄化槽では特殊な菌株のみを単純培養できる環境ではないため、特殊な菌のみが増殖し浄化してくれるということはありえません。実現するには実験室レベルの環境が必要でしょう。活性汚泥は多種多様な在来菌で構成されており、地域や周辺環境などでも変わってきます。浄化に特化した菌株の研究は世界的に古くからされているようですが、未だ詳細は不明のようです。但し、浄化槽新設時の立上げや状態悪化の緊急用として使用することはあります。

Q3:畜舎を消毒しても大丈夫ですか。曝気槽内の微生物が死滅するのではないですか?


  • A3:一般的な消毒作業であれば問題ありません。但し、大量に消毒剤を使用する場合は念のため中和してから浄化槽に流入させるようにした方が良いでしょう。

Q4:なぜ原水を希釈しなくはならないのですか?


  • A4:原水を希釈することによるメリットがたくさんあるからです。希釈することで、硝化が速く進行し脱窒しやすくなりますし、曝気槽に泡がなくなり、原水の濃度変動にも適応できます。さらに、処理水が透明に近くなり色が気になりません。無希釈の場合、原水のBOD濃度が高くなり、活性汚泥のはたらきが鈍くなります。それでも長時間曝気すればBODは除去できますが、大きな曝気槽が必要(BOD容積負荷を低く設定しなければならない)となり不経済ですし、発砲も多く、活性汚泥の凝集性が悪くなり、SSが除去しきれなくなることもあります。また、処理水の色は原水の濃度が濃いほど濃くなります。紅茶のような色になることもあります。希釈水が利用できない場合は、前処理として原水を脱水処理する方法をお勧めします。この方法では、養豚ふん尿分離型畜舎の汚水の場合は多量の希釈水を必要としません。パーラー排水の場合は前処理脱水も、希釈水も必要ありません。

Q5:原水を希釈するだけで放流できないのですか?


  • A5:可能ですが現実的ではありません。一般的な排水基準の場合、豚のふん尿分離型畜舎の汚水で約30倍に希釈しなくはなりません。肥育豚1000頭規模の汚水で約400m3/日の希釈水が必要です。原水濃度が薄いパーラー排水でも約8倍に希釈することが必要です。

Q6:なぜ余剰汚泥が発生し、引き抜きをしなければならないのですか?


  • A6:活性汚泥を司る微生物は常時、代謝、分裂を繰り返し増殖しています。また、微生物では分解できない物質も流入し蓄積していくので、余剰分を引き抜き、曝気槽内の活性汚泥濃度をなるべく一定に保つことが必要となります。

Q7:豚のふん尿混合汚水を全量堆肥化できませんか?


  • A7:可能ですが現実的ではありません。ふん尿混合汚水といえどもほぼ100%水分ですので大量の水分調整用副資材が必要となります。例えば、肥育豚1000頭規模のふん尿混合汚水を堆肥舎で堆肥化する場合、副資材に全量オガクズを使うとすると1日あたり約22m3必要となります。密閉型発酵装置でも汚水をそのまま投入することはできません。この場合も前処理として原水を脱水処理し、分離液は浄化槽で処理、脱水ケーキは堆肥化処理する方法をお勧めします。

Q8:人間の浄化槽と何が違うのですか?


  • A8:微生物を利用した浄化処理という点では基本的なところは変わりませんが、家庭用合併浄化槽では接触酸化法を多く採用されています。接触酸化法とは担体と呼ばれる充填物の表面に微生物を付着させて、汚濁物質を分解させる方法です。活性汚泥法と比べ、管理が容易で低負荷での運転が可能であり、余剰汚泥の発生が少ないなどのメリットがあります。反面、担体の表面積が限られているため高負荷には対応できません。畜産排水では下表のように原水BOD濃度が高いため、活性汚泥法を採用することが一般的です。但し、比較的BOD濃度の低いパーラー排水では接触酸化法を組み入れた施設があります。

    排水種類BOD量
    (g/日・頭or人)
    排水量
    (ℓ/日・頭or人)
    BOD濃度
    (mg/ℓ)
    一般家庭排水
    (トイレ、風呂等)
    40200200
    養豚排水
    (ふん尿分離型畜舎)
    50153,333
    養豚排水
    (ふん尿混合型畜舎)
    2002010,000
    パーラー排水1001001,000

    • 養豚排水はとても濃い!

      上表で示したように養豚排水はとても「濃い」ことがわかります。
      例えば、繁殖豚200頭一貫の養豚場(ふん尿分離型畜舎)の場合、
      肥育豚2,000頭×BOD 50g = 総BOD量 10,000gとなり、
      2500人の生活排水を処理することに相当します。
      濃度では約166倍になります。

Q9:処理水を戻し、希釈水として再利用できませんか?


  • A9:活性汚泥法の処理水ではできません。活性汚泥法の処理水は一般排水基準をクリアできる程度の浄化しかできませんので、塩類やフミン質などの残留物があり、循環させることで蓄積し活性汚泥に悪影響があります。また、曝気槽水のPHがだんだん低くなっていくことが想定されるので処理できなくなると思われます。再利用するには、活性汚泥法の処理水を膜ろ過処理する等の設備が必要となります。

Q10:新設の浄化槽の場合は、どうやって稼動始めるのですか?


  • A10:一番簡単で早く確実な方法は、活性汚泥を他施設から持ち込むことです。しかし、畜産業の場合は防疫の問題があることと、大量の活性汚泥の運搬に費用がかかるため、シーディング剤と呼ばれる微生物資材を起爆剤として投入し、徐々に活性汚泥を増やしていきます。この作業を立上げといいますが、慎重な管理が必要となり浄化槽の機能を発揮させ、安定させるには2~3ヶ月以上かかります。

Q11:脱窒菌とはどんな菌ですか。購入しなければならないのですか?


  • A11:A1と同様に微生物資材の投入は必要ありません。脱窒菌とは硝酸還元菌のうち、硝酸イオンを窒素にまで還元する能力を備える菌のことで畜産排水にも存在しています。

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