脱窒について
脱窒について
なぜ脱窒しなければならないのか
窒素分が含まれる排水を河川や土壌に排出すると地下水や土壌の汚染となり、人の健康に有害であるため水質汚濁防止法により、排水基準が設定されています。(リンク表)現在は暫定基準値ですが、平成25年7月1日からが厳しくなります。畜産排水の原水に含まれる窒素分はアンモニア態窒素です。そして、この畜産排水を単に活性汚泥処理した処理水には硝酸態窒素に変化します。アンモニア態窒素から硝酸態窒素に変化するだけで窒素は減りません。要するに単に活性汚泥処理するだけでは窒素は除去できないのです。
脱窒のしくみ
脱窒するには嫌気性である脱窒菌の働きを利用した生物学的脱窒処理を使います。
脱窒のしくみ図
図のように活性汚泥法により、アンモニア態窒素を硝酸態窒素に変化させることによりBODは除去できますが、N(窒素)は除去できません。そこで、嫌気状態をつくり、脱窒菌を働かせてN(窒素)を除去します。嫌気状態での脱窒菌は、呼吸のためNO3(硝酸イオン)からO(酸素)を奪い、N(窒素)をガスとして放出します。これが脱窒です。この際にメタノール、汚水BODなどの電子供与体が必要となりますが、畜産汚水処理ではBODとして原水を利用します。
脱窒処理を組み入れたシステム
- 回分式の場合
曝気槽内で脱窒を行うのため専用の水槽は必要としませんが、嫌気状態を長く保たせる必要があるので、短時間でアンモニア態窒素を硝酸態窒素に変化させなければなりません。そのため、原水を十分に希釈をしたうえで曝気槽に投入しすることと、曝気装置をランクアップさせること(送風量を増やす)が必要となります。あとは、曝気のON,OFF時間をタイマーでセットするだけでOKです。コツとしては、電子供与体としてのBOD供給を原水投入で代用するために、原水投入後に脱窒工程(曝気停止時間)をセッティングすることです。原水投入直後に、小規模施設の場合は数分の撹拌曝気を行うと脱窒しやすいです。大規模施設の場合は、撹拌用の水中ミキサーなどを使用すると効率的です。
- 連続式の場合
脱窒専用の脱窒槽が必要となります。大きさは曝気槽と同じ容積を確保します。システムは下図のように組み入れます。
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